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やっちょんの【ザーぴゅー】

日々進化を追い求めるやっちょんの右脳系詩的ダイアリズム!
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B-13
そこは楽園のようなところだった。
かといって「らく」で「たのしい」といった印象ではなく
なんかこう人が一生懸命生きているエネルギーとクリエイティブに満ちた
そんなところだった。

ある日、僕はドーム型の屋内公園のような広い敷地で
「虎の穴」の試練のような日々を送っていた。
実際、それは何の試練なのかもわからないが、ただひたすら池の周りを
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。
その「ただひたすら池(今命名した)」というのも不思議だった。
一面真っ白。白濁していてボコボコと下から何かが湧き上がるような変な池。
試練の最中に、何度か片方の足がその池に着面した時があったが、
ついた液体はすぐに固まって、履いている足袋がカチコチになってしまったものだった。
どうやらそれは液体状のセメントのようなものらしかった。
しかしまあ、その試練というのは実にシンプルなもので、ただひたすらその池の周りをぐるぐる廻りつづけるのである。
何千、何万いやもっともっと廻りつづけたに違いない。
何十、何百という男衆がそこで競うように早く廻りつづけることを目的に廻っている。
今思うと、よくあんなに早く、ぶっ倒れもせず、飯も食わず廻りつづけることができたなぁと感心するのだけれど、あの時はあの時で、きっと何かに追われていたからに違いなかったのだ。
要するに、誰かひとりが何かに追われるようにスピードを上げれば、
前の奴もそいつに追われるかのようにスピードを上げる。
結局、廻りまわってそのスピードは、自分自身の後ろにやってくるのだ。
【その日】は何の前触れもなくやってきた。
朝だったか、池のボコボコが激しくなってきて、
水面がちょびっとずつ上昇してきたのだった。
地殻変動なのかわからないが、いつものように僕らが走り廻っている約1メートル幅の道にも蜘蛛の巣状のクラップが入り、そこから地面が盛り上がってきて、外へ押し上げられるようになって、最後にはとうとう湖を囲ういびつで凸凹した山脈のように連なる「道なき道」みたくなってしまった。
きっと僕らもアドベンチャー。
僕らはそんなマグマな怒りに一瞬たじろぎ、手の届くものに必死にしがみついているのだが、やがてその地鳴りが収まったような一瞬の切れ目(完全制止)が来たのを境に、ねじ込められたエネルギーが一気に開放へと向かっていった。
ワー!オー!エェー!
が同時に混ざり合ったような雄たけびと再びの地鳴りとの低音ハーモ-ニーに同調させられ、みんな豪快に踊らされてゆく。
すごいスピードで駆け上がったり下がったりしながら、万歳のままぐるぐる廻ってゆく。
日常ではいつも規則正しく皆、時計回転に廻りつづけているのだけど、
「安全な道」という暗黙のルールが完全に崩壊してしまった今、
支えとなる「心の道」が、
こちらは外れていないのに道の方が勝手に外れてしまったのだから、
混迷という名の本命間違いないレース運びとなりやした。
何か底から湧き出てくるものはよりボコボコし始め、正回転(時計回転)から外れる者がドンドン出てき始めた。
逆回転、転落、飛び込み。
僕はこの状況に戸惑いながらも、怖くてただひたすらいつものように時計回りに廻りつづけた。
もう何日も廻りつづけただろうか?
人数は少しずつ少なくなってきたようだった。
それでもそれでも廻りつづけた
あれ
今度はなぜか人数が少し増えてきたように思えた。
てっきり池にはまってしまったと思っていた人たちが、何やらどうして余裕の表情で廻りつづけている。

何か馬鹿らしくなって、
ふとてっぺんから脱力感が突き抜け、
頭がからっぽになり、
足を止めた。
大きな木の下。
その傍で。
水面はドンドンと上がってきているから決してゆっくりはしてられそもないのだけど
一息ついた。
全体を見渡して
一息ついた。
一体何のためにこんなところを廻りつづけているのだろうと
思ったらば瞬間
上から小石のようなものが落ちてきて頭をコツンと叩いた。
上を見ると木には葉っぱが生茂っていた。
こんな時に青々としやがってぇ
と思いながら、僕はその大きな木に手をかけた。
かけたその手に何か感じた。
正確には何か感じようとしたのかも。
かけたその手と反対の手を枝にかけ登り始めた。
こういうことならお手のものなんだけどななどとぶつぶつつぶやきながらひょいと登り
木のてっぺん近くまできた時、さらに上のほうを見ると
足の裏がふと見えた。
そして消えた。
よく見ると天井の隅角に穴らしきものがあって、その中に足の裏が吸い込まれていったのだった。
枝の少し細くなっているところだったので折らないように
慎重にそこまで登ってゆくと
その穴の奥からぶらんと一本の綱が垂れ下がっていた。
人一人がなんとか入れそうなその狭い穴の中を、綱を伝いよじ登っていった。
やがて天に頭をぶつけ、直角に曲がった暗い横穴をホフク前進でトンネルのような穴を抜けてゆくとそこは…

そこは楽園のようなところだった。
かといって「らく」で「たのしい」といった印象ではなく
なんかこう人が一生懸命生きているエネルギーとクリエイティブに満ちた
そんなところだった。

そこには知った顔がいっぱいいてた。
そして、いつもお世話になっている先輩が僕のところにやってきて

「おつかれさん、合格」

先輩はジャケットを脱ぎ捨て「よっしゃ」と小さく言い放ち
先ほどの横穴をホフク前進で入っていった。

ふと壁の日めくりカレンダーを見ると
日付は「B-13」という日だった。
| クーソー小説 | 16:12 | comments(2) | trackbacks(0) |
【恋の発着駅】


身支度もままならぬまま、駅に走った。
あの電車に乗らなければ、仕事に間に合わない。
セーフ。
全力で走ったせいか以外に早く駅に着いた。
駅のホームで見知らぬオバサンと目が合った。
なぜかオバサンは僕を見てニコッと微笑んだ。 
そして何か言葉を発した。
「えっ?何?」
口のかたちは…
「ア?ウ?ウ?」
「…ラスク?」
いや違う。
この状況で甘くてかたいパンのお菓子なはずがない。
僕のことを知っているのかもしれない。
名前か?あっ「ヤス君」。
確かによくそう呼ばれることがあるが…
とここまで考えつつも結局どこで会ったのか思い出せずタイムオーバー。
相手もそれ以上突っ込んできそうな気配もなく
お互い微妙な感じのまま別々の車両にに乗り込んだ。
車両の向こうの方で先ほどのオバサンを発見。
さりげなく視線を送ってみるが、完全に気付かない。
というか完全に無視されている気もする。
少しずつ気になり出した。
追われるより追う方が燃えるのは狩猟時代からの男の習性か。
あの人は一体誰だ。
さっきはオバサンとは言ったものの
実際はオバサンと言うには失礼なくらい
キレイな人だったなぁ。そんな気がする。
気品もよく優しそうな感じだったなぁ。
あれっ…なんだ俺?
ちょっとおかしい。
こう思ってしまったが最後、こういう時は大抵
「恋」という一文字が見え隠れする。
あとは深みにはまっていくだけ。
嗚呼〜
抱きたい、抱けない、ハタカレタイ。
そうだハエ。
ハエだハエ。
ハエになればハタイテもらえるかも。
でもどうやって?
でも「生え」ってそういえば「生」っていう字を書くから
なんとかなるかもしれない。 
ようし、念ずれば花開く
生え生え生え生え生え生え生え生え生え生え生え生え生…
あれっ「え生」が「先生」に見えてきた
ガタン!
着いた。
オバサンを確認する。
オバサンが人ゴミに飲まれてゆく。
まるで映画「ボディーガード」のワンシーンのよう。
…消えた
嗚呼〜
もっとこの恋に燃えてみたかった〜!
もっともっとこの初夏に燃え上がるような〜
あっ
今、通り過ぎた娘が可愛かったから諦めるとするか…
よしっ!
気持ちを切り替えるためにトイレで顔を洗ってすっきりしよう。
鏡の前に立ち
気合を入れて
「今日も一日…」
あっ
「チャックが全開…」
「チャ?ッ?ク?」か!
| クーソー小説 | 02:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
【五月病】
5月病というものは本当に存在するんだなあ、と実感した。
4月の怒涛のような新人研修を終え、達成感で刹那的な自信を取り戻したのだが、連休中は「疲れを癒すのだよ」と仕事の予習復習もせず「いやむしろ会社なんてこんなもんだよ」と根拠なくタカをくくるだけくくって連休が明けた。
世の中そんなに甘くない。
僕は、研修の内容どころか社長の名前や、何をしている会社だったのかさえ忘れてしまっていた。
そして、こんな甘い考えのまま僕は連休明け初日「まあいいや」という気持ちで、走れば間に合う電車を乗り過ごし次の電車で会社に向かった。
だってあんなギュウギュウ詰めの箱に押し込まれたくないわ!
10分遅れで会社に到着。扉を空けると…シーン。
社長を頂点とするピラミッド。
100人近い社員が一斉に、こちらを見る。
「ゲロゲロ」
思わず口をついて出た言葉に社長は
「何を言っとるんだ君は!」
…沈黙。
こういう時、偉い人はどうやって切り抜けるのだろう?
間違いなく僕は泣きそうな顔をしている。
顔の毛穴がヒクヒクしているのが自分でわかる。
穴があったら本当に入りたい。
こんな状況でかろうじて言える言葉なんてこれしかなかった。
「や、辞めます」
沈黙。
「何を言っとるんだ君は!」
ハッ、これはさっきと同じセリフだ。
あえてセリフと言ったのは音の強さ早さ、どれもさっき言ったのと同じ言い回しだったからだ。
社長も毎日毎日このセリフを何百回も言ってつらいんだろうな〜。
そうな思うと少しかわいそうになってきた。なぜかわからないが、社長のオーラがどんどんしぼんでいく。社長がただのちっこいおっさんにしか見えなくなってしまった。
いや、まだまだ小さくなっていく。
「竹本、お前いい加減慰しろよ!」「会社をなめてんじゃねえぞ!」
などと口々にみんなが言い始めたのと同時に社長はだんだん元の大きさに膨らんでいく。
「君達、静粛に!」
おぉ。「静粛に」なんて言葉使えるあたりはやはり社長だな、と感心した矢先… 「よし、今日から君はミナギルッシュ活動部門に配属だ!」
「は?」
「ミナギルッシュ!」






続く…
| クーソー小説 | 23:07 | comments(0) | trackbacks(0) |